転職した薬剤師のプロフィール(アイン薬局→個人薬局)
今回は、30代半ばの薬剤師の方に転職経験について詳しくお話を伺いました。この方は、アイン薬局で一般薬剤師として勤務していましたが、年収アップとより良い条件を求めて、個人薬局へと転職されました。転職に至るまでの経緯や転職後の仕事内容、感じたギャップなどについて、詳細にご紹介します。
転職前後のステータス比較
項目 | 転職前 | 転職後 |
---|---|---|
施設形態or企業名 | アイン薬局 | 個人薬局(1〜10店舗) |
年間休日 | 115日 | 105日 |
役職 | 一般薬剤師 | 一般薬剤師 |
年収 | 550万円 | 830〜850万円 |
月の勤務時間・残業時間 | 170時間/月 残業20時間/月 | 178時間/月 残業8時間/月 |
通勤時間 | 10分 | 4分 |
転職前後のステータスを見ると、転職によって年収が大幅にアップしていることがわかります。前職のアイン薬局での年収が550万円だったのに対し、転職後は830〜850万円と、実に280万円から300万円の増収が実現されています。一方で、年間休日が115日から105日へと減少し、月の勤務時間もわずかに増加していますが、残業時間は逆に減少しています。通勤時間も短縮され、全体として転職によるメリットが大きく、ライフスタイルの改善が見られます。
薬学部を目指した理由は?
薬学部で学べる知識は、他の医療系学部と比べてアカデミックでありつつ、比較的現実的で、将来的に自分でも取得可能な資格だと考えたためです。自分の性格や能力を冷静に分析し、その結果、薬学部ならば自分が無理なく学び続けられると考えました。
前職の仕事内容は?
前職であるアイン薬局での仕事内容について詳しく伺いました。アイン薬局では、一般薬剤師として主に処方監査・疑義照会、調剤・調剤鑑査、服薬指導、医薬品の管理などの業務に従事していました。これらの業務は主に薬局内で完結するものであり、患者さん一人ひとりの状況に合わせた適切なアドバイスを心がけていました。また、医薬品の在庫管理や品質管理にも細心の注意を払い、薬局内での業務が滞りなく進行するよう努めました。
前職の入社理由は?
前職に入社した理由について伺うと、まず、会社の規模に対して新卒の提示年収が高額だったことが大きな要因です。また、役員の一人が以前からの知り合いで、波長が合っていたこともあり、彼からの誘いも大きな影響を与えました。勤務地もほぼ希望通りに決まり、非常に理想的なスタートを切ることができました。
転職しようと思った理由は?
M&Aを経てアイン薬局の傘下に入ったことにあります。グループ内での異動があり、年収は維持されましたが、次第に昇給や昇進の道筋が見えにくくなり、キャリアに対する不安が募るようになりました。また、会社の規模が大きくなるにつれて、個々の薬剤師の個性が埋没してしまい、システマチックな仕事が増えていくことに対しても、次第に不満を感じるようになりました。
もともと転職を強く希望していたわけではありませんでしたが、知人の紹介で、より良い年収と条件の会社を紹介されたことがきっかけとなり、転職を真剣に考えるようになりました。個人薬局で働くことで、より自由度が高く、自分らしさを発揮できる職場環境が手に入ると感じたことが、最終的な転職の決め手となりました。
転職活動で心掛けていたことは
最も重視したのは、年収と勤務地です。前職での経験を活かしつつ、さらに高い評価を得られる職場を探すために、スカウト会社からの情報を活用し、転職サイトで自身の市場価値を把握しました。複数の候補の中から、最も高く評価してくれた会社を選び、年収アップを確実に実現するための転職活動を行いました。
使った転職サイトは?
使って良かった転職サイトは?
どこも同じに感じた。
その理由は?
スカウト会社のエージェントが積極的に転職を促してきました。結局、理屈は転職サイトと同じだが、単純に自分に対しての熱量が一番高かっただけだと思います。
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面接を受けた数は?
1社
面接で聞かれた質問は?
面接では、これまで在籍していた店舗の1日あたりの処方箋枚数や薬剤師の人数、具体的な業務内容について質問されました。また、自分の性格や患者さんと接する際に心掛けていること、そして前職において不満を感じていた点なども質問され、それに対して率直に答えました。
現職への入社の決め手は?
個人薬局を選んだ理由の一つは、個人薬局ならではの自由度の高さに魅力を感じたからです。大手企業で働いていた時と比べて、個人薬局では自分らしさを活かせる環境が整っており、業務においてもより自分の裁量が広がると感じました。また、社外との連携や活動も積極的に推奨されており、様々な職種の方と関わる機会が増えそうだと感じたことも、大きな魅力でした。さらに、年収が結果的に280万円から300万円ほどアップすることが見込めたため、最終的に入社を決めました。
入社してからのギャップはあった?
現職において大きなギャップは感じてませんでした。むしろ、個人薬局で働くことで、これまでの職場とは異なる新たなやりがいを感じています。個人薬局では、自分の裁量が広がり、業務の幅も広がったことで、より主体的に仕事に取り組むことができるようになりました。
ただし、強いて挙げるなら、仕事ができない職員が放置されていると感じることがあるといいます。個人薬局では、大手企業とは異なり、人材の管理が緩やかであるため、時折シワ寄せが自分に来ることがあります。
転職後の仕事内容は?
現在、個人薬局(1〜10店舗)で一般薬剤師として働いています。主な業務は、処方監査・疑義照会、調剤・調剤鑑査、服薬指導、医薬品の管理、OTC販売、在宅業務など、多岐にわたります。また、多職種との勉強会の開催や行政からの依頼による講演など、社外活動も積極的に行っております。
転職して良かったこと
何よりも嬉しかったのは、大幅な年収アップです。また、異業種や他社の方と交流する機会が増え、視野が広がったことも大きなメリットです。個人薬局で働くことで、以前の大企業勤務時よりも責任感が増し、主体的に仕事に取り組む姿勢が強まりました。
また個人薬局での勤務を通じて、薬剤師としてのスキルをさらに向上させることができていると感じています。自分の意見やアイデアを反映させながら、効率的な働き方を実現し、残業時間も削減できているため、転職後の生活は非常に充実しています。また、仕事を通じて得られるやりがいや満足感も向上し、転職して本当に良かったです。
これから転職活動をする方に向けて
転職を考える際には、モヤモヤと悩んでいる時間はもったいないので、まずは行動してみることが大切だと感じています。転職サイトだけでなく、人脈を大切にしておくことで、良い話が舞い込んでくることもあります。大学時代の知り合いや元上司、元同僚から良い話が舞い込んできた経験があり、それによって転職の選択肢が広がりました。